2010/03/16

この世には不思議なことなど何もないのだよ、ムシゴロウ君

「私と力比べだ」と言うと、先生は私が右手の親指と小指で作った輪を広げようとした。しかし輪は広げられる事はなかった。右手は私の勝ちだ。次に左手の指で力比べ。今度はあっさりと広げられた。「腕上げて、左が短いね」「ほら、こっちは、ここまでしか曲がらない」「今度はどう?」「あれれ?」「え~嘘でしょ」・・・

昨日、合同練習と称して、先々週と同様、のむ太郎氏と幼馴染まもちゃんと共に高尾に行ってきた。前回は雨で陣馬山まで行けなかったのだが、此度は晴天、最高のトレイルラン日和だった。晴天とはいえ山奥は残雪と泥濘んだ道が交互に続く。決してコンディションは良いとは言えないのだけど、泥だらけになって走った方が「トレランしてるぜ」感があって楽しいもんだ。

今回私は、100キロ走り切るために私なりの目標をもって走ってみた。負荷をかけず、常に最大心拍数の60~70%を維持する事を心がけた。これは私がだらだらとLSDをする際の心拍数だ。100キロの長丁場を淡々と走り切るには、LSDの心拍数が妥当なんだろうと判断し、この負荷で山道を走るとどれくらいのペースになるか調べたかったのだ。

約30キロの道で5時間と言う結果だった。約キロ10分だ。一度も休まず100キロを走りきる筋持久力があれば、16時間半ちょっとで走破できると言うことだ。全く現実的ではないね。少なく見積もって+5~6時間はかかるだろうね。

で、消費カロリーはというと、約3000キロカロリーだった。つまり10キロ毎にメガマック1個食わないとハンガーノックになっちゃう計算だ。すごくない?今回、超テキトーな補給食(スニッカーズとかキャラメルとか)と城山でインチキうどんを喰ったのだけど、全然足りなかった事になる。後半3~4キロの足取りの重さは筋肉疲労よりガス欠が原因だったと今は思っている。何故なら、今回のトレランで筋肉痛らしいものが一切ないのだから。

来月の大会の為に今から筋力をつけるのは生物学的に100%無理だ。今から打てる対策は、如何に身体の負担をかけない走りができるか、如何に効率よくエネルギー補給ができるか、にかかってくるんだろうね。フォームの見直しも現実的ではないから、私に残された道は「慣れ」と、良いサポートに巡り会う事だけかも知れない。

ちょっと脱線。ここで面白い数字が並んだのだけど、気づいたかな?30キロメートル300分3000キロカロリー。面白いね。こういう数字に遭遇するとワクワクしちゃうんだよね。100キロメートル1000分10000キロカロリーちゅうことだ。うひゃ~~っ!さあ戻ろう。

トレランの前日、実は面白い体験をしてきた。面白いというより不思議な体験だった。この体験のお陰で、翌日の筋肉痛から逃れられたのかも知れないのだが、まだ断定はしたくない。この不思議な体験の正体はいずれ暴いてやろうと思っている。

2日前、整体に行ってきた。場所と整体院の名前は暫く秘密にしたい。理由は「それ」に対して僅かながら疑心暗鬼が生じているからである。そう。疑念を抱いてしまう様な奇妙な施術をする整体院だった。万人が整体に対して持つのイメージとは全く別のものだ。登記する時「整体」というカテゴリしかなく、仕方なく「整体」を名乗った、そんな事を勝手に想像している。兎に角私の知っている整体とは違うのだ。マッサージでもカイロプラクティクスでもリフレクソロジーでもない。

施術の内容はこうだ。問診し、オーリングチェックをし、軽く触れる。ただそれだけ。所要時間5分。だたそれだけで、私のズレていたらしい腕の長さ、脚の長さが元に戻ったらしい。「らしい」としたのは、私が施術者に「ズレ」を見せられた時、客観的な判断が出来なかったからだ。「ほら、こんなに長さが違う」と言われた時、私は懐疑心より先ず驚いた。「え~っ」と声を上げて驚いてしまった。冷静な私なら、腕の掴まれ方や角度をネチネチと分析しているのだが、あの時はすっかり術中に嵌ってしまい、施術者の意のままに操られていた。(ホンモノかも知れないのだが・・・)

ちょっと纏めてみる。

問診)
どこが痛いのかを問われた。腰の辺り全体と右の頸長筋と答え、更に長距離を走っていると付け加えた。

触診)
オーリングチェックをされた。右のリングは広げられなかったが、左のリングはあっさり広げられた。次に、座ったままの状態で腿を片方上げ、それを施術者が押し戻す触診を受ける。右腿は耐えられたが、左腿はあっさり押し戻された。

施術)
回転する台に乗せられ、腕を伸ばしたり、膝を曲げたりしながら、軽く触れられた。実際に何が行われているか不明。

施術後)
再度、腿上げの触診。今度は両腿とも押し戻されることはなかった。超不思議。

経過1)
施術は朝9時からだったのだけども、その日の昼前には頸長筋の張りは消えていた。

経過2)
トレランの翌日に当たる今日、筋肉痛が一切ない。前回のトレランでは翌日脚全体が筋肉痛で、右脚よりも左脚のダメージが大きかったのだけど、今回は全くなし。

条件が同じではないにせよ、前回よりも長い距離を走っているので、脚にかかった負担は確実に今回の方が大きい筈。なのにダメージはゼロ。突然走力が上がったのか、突然フォームが綺麗になったのか、或いは低負荷で走っていたからなのか、それとも不思議な施術のお陰なのか・・・。

理由は何にせよ、30キロのトレランをして筋肉痛にならないのは嬉しい限りだ。だから、ここは素直に施術の効果として受け入れると精神的に楽なんだろうけど、私の捻くれた脳みそは、そう簡単に現象を受け入れられないんだよね。オーリングチェックと膝上げチェックの信憑性はどうだろうか?始めて体験する変わった施術に対する驚きがプラシーボ効果を生んだ可能性はないか?頸長筋は自然治癒かも知れない。筋肉痛がないのは低負荷で走ったからではないか?等々といくらでも疑う事ができる。

私がこうして疑っているのは、インチキを暴く為ではない。できればホンモノであって欲しいと願うからこその疑いだ。だって、これがホンモノなら、こんなにスゴい整体院はないんだからね。また来月行こうと思う。今度は事前に自分の身体を徹底的に調べ、そして触診の時もしっかりと目を見開き、客観的に観察してやろうと思う。

この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君。

これは私の大好きな作家京極夏彦の「姑獲鳥の夏」に出てくる主人公中禅寺の超有名でクールな台詞だ。此度の整体院での体験を回想していると、この台詞が浮かんできちゃうんだよね。

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2 件のコメント:

blue さんのコメント...

ムシゴロウさん、オシエテオシエテ!行きたい!青山

mushigoro さんのコメント...

メールします。